ヘッドホンアンプ(47アンプ)3台目

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ヘッドホンアンプ、3台めを組み立ててみました。前回組み立てたヘッドホンアンプと同じく、二回路入りオペアンプを二個使用した47アンプと呼ばれているものです。組み立てキットを購入したのですが、不幸なことに部品が一つ足りずに完成させることができませんでした。欠けていた部品を手配したのですが、年末年始を挟んだ関係で部品の到着に時間がかかり、概ね一ヵ月かけてようやく完成しました。

欠けていた部品は抵抗1本でした。今後色々と工作したいと考えていましたので、色々な抵抗値のものを取り混ぜて購入しました。非常に安い部品ですから、ある程度数をまとめないと割高になりますので、まとめ買いをしましたが、ストックしておいても劣化することはありませんので全部で600個購入しました。お値段は280円でした。

組み立て途中で一か月間放置されていたヘッドホンアンプキットと、やっと届いた抵抗器

欠けていた部品はアンプの増幅度を決める負帰還部分に使われる4.7KΩの抵抗です。こういうのを画竜点睛を欠くというのでしょうか。小さな部品ですが、これが無ければアンプとしてまともに動きません。

欠品のためしばらく放置されていたヘッドホンアンプキット。部品が付いていない部分が空虚で寒々しい。

基板に部品を取り付けるときは背の低い部品から取り付けると良いのですが、部品が無かったので仕方ありません。ぽかんと空いた4.7Kと書かれた部分に抵抗器を取り付けます。

こうやって裏側からはんだ付けします。背の高い部品を付けた後ですので、基板が安定せずやりずらいです。

抵抗器2本の取り付けですから、数分で終えることができました。ケースに収める前に動作チェックをします。音源は120円のMP3プレーヤーです。ヘッドホンアンプには12VのACアダプタから給電しました。

動作テストです。音源は120円のMP3プレーヤーです。ヘッドホンアンプには12Vを給電しました。

動作確認の結果は良好でした。オペアンプを使ったシンプルな回路ですので、組み立ても簡単です。増幅はオペアンプで行っていますので、このアンプによる音質の変化はほとんどないといってよいでしょう。ただし、このアンプに接続するヘッドホンやイヤホンのインピーダンスはオペアンプにとってはかなり荷が重い負荷です。このヘッドホンアンプキットに同梱されているNE5532というオペアンプが想定する負荷インピーダンスは600Ω程です。一方ヘッドホン、イヤホンは32Ωや16Ωという非常に低いインピーダンスのものがあります。このヘッドホンアンプの出力部分には47Ωのダンパー抵抗が取り付けられていて、オペアンプに掛かる負荷をある程度軽減していますが、それでも過負荷であることには変わりはありません。オペアンプは結構丈夫なので、過負荷になってもそう簡単に壊れることはありません。中には保護回路が仕込まれているものもありますので、神経質になる必要はありません。しかし、あまりにも負荷が高い場合ひずみが大きくなります。これを防ぐためにはダンパー抵抗の値を大きくすればよいのですが、あまり大きくしすぎると小さな音しか出なくなります。

そこで今回は、キットに付属したオペアンプNE5532の代わりに、ドライブ能力の高いオペアンプを載せてみようと思います。ドライブ能力の高いオペアンプといえば真っ先に頭に浮かぶのはNJM4556でしょう。

データシートにも高出力電流と記載されています

このオペアンプはNJM4558の出力部分を改良したもので、NJM4558の流れをくむものです。元となった4558はかなり古い設計ですし、一部改良しただけのNJM4556もデータシートに並んだ数値は凡庸なものです。しかし、うたい文句の高出力電流はインピーダンスの低いヘッドホンやオペアンプを駆動するにはもってこいです。そして、最低動作電圧も±2Vとなっていますので、USB出力のモバイルバッテリーでも動作します。これは結構うれしいです。

データシートから周波数特性を読み取ってみたいと思います。オペアンプですから下はDCまで増幅できるのは当たり前ですが、上の方はこのグラフから読み取ると、大体50KHzくらいまで伸びているのが分かります。オーディオ用ならこれで十分でしょう。そして頼もしいグラフが掲載されています。負荷150Ωの時の周波数対最大出力電圧のグラフです。これだけ重い負荷ですと若干のハイ下がりにはなりますがきちんとドライブ出来ていることが分かります。

150Ω負荷時の特性が掲載されているのは心強い

ということで、力持ちなオペアンプNJM4556に取り換えました。これで、インピーダンスの低いイヤホンも元気に鳴ってくれると思います。

日清紡マイクロデバイス(旧新日本無線)のオペアンプは使いやすくていいですね

オペアンプを載せ替えた結果、NE5532と比較してハイ上がりな音質になりました。これは恐らくNJM4556がハイ上がりなのではなく、NE5532では過負荷によってハイ下がりとなっていたため、相対的にNJM4556がハイ上がりに聞こえたのだと思います。

さて、これまで三台のヘッドホンアンプを作って、何となくオペアンプの使い方が分かってきましたので、次は部品選びからやって、47アンプよりももっと単純なChuMoyアンプを作ってみようかと思います。今回組み立てたヘッドホンアンプは、付属のアクリルケースに収めて完成です。

キットに付属のアクリルケースに入れて、ヘッドホンアンプの完成です。

2件のピンバック

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