不思議な回路 LEDフラッシャー

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以前作ったバカっぽいヘッドホンアンプが設計ミスが原因で焼損しました。焼損といってもそれほど大げさなものではなく、トランジスタが過熱して焦げ臭い匂いを出した程度で、火は出ませんでしたし、煙もほんの僅かに出た程度です。

焼け残った部品が出ましたので何か作ってみることにしました。手軽で面白そうなものはないかと探していたら、妙なものがありました。Youtubeに上がっていたのですが、トランジスタにLED、コンデンサと抵抗をひとつづつ付けただけの簡単な回路です。

回路図を起こしてみましたが、非常に簡単です。

不思議なLEDフラッシャー回路

トランジスタは焼け残った2N2222を使用するように書いていますが、小信号用のNPNトランジスタなら何でもよいと思います。抵抗は数キロΩから20kΩくらいが良いと思います。あまり大きすぎるとLEDがぼんやりと点灯したままで、点滅しません。コンデンサは数百μF程度で見繕ってください。あまり大きすぎるとLEDが点滅するまで延々と待たされることになります。

電源電圧は結構必要で、最低でも9Vくらいは必要です。

この回路、どう見ても変な回路です。トランジスタの入力端子であるベース端子には何もつながずに放置です。それから、トランジスタの仕組みをご存じの方であれば一目で”これダメじゃん”と思うはずです。そうです。本来電源のプラス側に接続されるべきコレクタ端子がマイナス側に、マイナス側に接続されるべきエミッタ端子がプラス側に接続されています。そうです、絶対やってはいけないトランジスタの逆接続になっているのです。

この回路について詳しく解説されている方がいて、その説明によると・・・。逆接続をした場合ある一定の電圧まではトランジスタは耐えるのですが、耐えきれなくなるとエミッタとコレクタが導通してしまうらしいのです。これを降伏(又はブレークダウン)というらしいです。

抵抗を介してじわりじわりゆっくりとコンデンサが充電されます。充電が進み、コンデンサの電圧が高まると、逆接続されたトランジスタが耐えられなくなって(降伏して)電流を流してしまいます。流れた電流はLEDを光らせることに使われます。LEDで電力が消費されると、コンデンサの電圧は下がり、降伏電圧以下に下がると、トランジスタは降伏から立ち直り、電流を遮断します。

これの繰り返しでLEDが点滅するらしいのです。つまり、トランジスタの降伏現象を逆手に取った回路ということですね。トランジスタの逆接続は禁じ手ですから絶対やってはいけないのですが、あえてやるとこんな面白いことが起きるようです。

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