読書

金もかからず、なんだかチョットだけ良い自分になったような気にさせてくれること、それが読書ではないかと思います。

『森の生活 – ウォールデン』 読書

『森の生活 – ウォールデン』

『森の生活』ですが、極めて難解な本です。そして長大です。勿論翻訳ものですから、翻訳者の意向によっても翻訳には差異はあると思います、ですが、総じて『森の生活』は難解に感じます。恥ずかしながら原文で読みこなす語学力はありませんが、原文でもかなり難解であるらしいです。訳者である神原栄一氏によるあとがきにも…
『異類婚姻譚』 読書

『異類婚姻譚』

女優としても活躍していらっしゃる本谷有希子氏の作品で、芥川賞受賞作品である『異類婚姻譚』を読んでみました。芥川賞受賞作品で多くみられる、今風な言い方をすればファンタジーに分類される作品なのかも知れません。 結婚した主人公の日常を描いた作品なのですが、同じ集合住宅の別棟に住むキタエとの交流、似た者夫婦…
『ゼラール中尉』 読書

『ゼラール中尉』

菊池寛氏の代表作と言えば、『恩讐の彼方に』を一番に推します。一方、あまり知られていない作品がこの『ゼラール中尉』ではないでしょうか。非常に短い作品なのですが、どうもモヤモヤが残ります。 話はベルギーの都市、リエージュを舞台にしています。リエージュの砦を守る軍人の一人、ゼラール中尉は町で知らぬ人はいな…
『春宵十話』 読書

『春宵十話』

『春宵十話』という随筆集は、数学者の岡清氏によって書かれたものです。数学者でありながら、本書を始め何冊かの随筆集も上梓されており、また、本書でも書かれている通り、絵画や音楽にも造詣が深く、実に多彩な人であったようです。 岡氏は本書で度々人の動物化を憂いており、先ずは情操教育こそ重点的に行うべきである…
『堕落論』 読書

『堕落論』

坂口安吾氏の作品は、なんというか独特の世界観のようなものが有って、妙に身につまされる作品が多いです。誤解を恐れずに言えば、坂口安吾氏は、所謂文豪では無くどちらかと言えば落伍者に近かったのではないでしょうか。このあたりは、『白痴』や『黒田如水』といった著書に顕著に表れているように感じます。 さて、『堕…
『がんばらなくていいんだよ』 読書

『がんばらなくていいんだよ』

7年間を掛け、山中を4万キロに渡って巡拝する荒行である千日回峰行を2度満行した行者である酒井雄哉氏の『がんばらなくていいんだよ』という、いかにも癒されそうな本を読んでみました。恐らく、編集者が酒井氏にインタビューをし、酒井氏が語った言葉を書き起こしたものと思われます。全体的に平易な口語調で記されてお…
『苦役列車』 読書

『苦役列車』

映画化されたからという訳ではないのですが、西村賢太氏の『苦役列車』を読んでみました。恐らく主人公の北町貫太という名前は作者自身の名前から容易に連想できることから、作者自身の事を下敷きとして書かれた小説であることは容易に想像できます。 主人公の北町貫太は父親が起こした犯罪が切っ掛けとなり、住み慣れた場…
『天才』 読書

『天才』

『天才』という題名に惹かれて読んでみました。これまで恥ずかしながら石原慎太郎氏の著作は読んだことがありませんでした。『太陽の季節』も映画では見たことがあるものの、原作は読んでいません。普段の石原氏の言動から何となく難しい言い回しの多い難解な作品かと想像していたのですが、『天才』は実に痛快で余韻もある…
堀江貴文著『本音で生きる』 読書

堀江貴文著『本音で生きる』

堀江貴文氏の『本音で生きる』という本を読んでみました。ホリエモンこと堀江氏はとにかく話題に事欠かない人で、史上最年少で株式上場を果たし、数々の企業買収でその業容を拡大し、テレビ局買収に動き、プロ野球球団買収も画策しました。このような行動を世間は無謀と評し、一時は犯罪者として収監されました。しかし、普…
『残り全部バケーション』 読書

『残り全部バケーション』

タイトルに惹かれて読んでみました。伊坂幸太郎氏らしい作品です。溝口と岡田という二人のチンピラにまつわる物語です。ネタバレになるといけませんので、内容については割愛しますが、登場人物の気質や登場人物同士の絡み合い、そしてちょっとした仕掛け等、『ゴールデンスランバー』に何となく雰囲気が似ています。 ただ…