禁断のカップリングキャパシタ取り外し

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飽きずに改良を進めているClassAAヘッドホンアンプですが、最後に残っていた課題であるカップリングキャパシタを省略を試してみることにしました。カップリングキャパシタはアンプに流れ込む直流成分を阻止する目的で使用されます。今回作成したヘッドホンアンプはオペアンプを信号増幅に使用していますが、オペアンプの増幅できる信号の周波数はDC(直流)まで伸びていますので、入力信号に直流成分が入っていた場合これがそのまま出力として出てきます。

ヘッドホンに直流を加えると場合によっては破損することも考えられます。つまり、直流はアンプに流れ込まないほうが安全なわけです。ですからアンプの入力と出力に直流成分を阻止するカップリングキャパシタを挿入することは定石です。ただし、キャパシタが入ると低い周波数が減衰してしまうことは容易に想像できます。また、キャパシタ自体に周波数特性があり、使用するキャパシタによって出てくる音にキャパシタの癖が反映してしまいます。また、位相回転も生じ、これがひずみとなって現れます。(これらは飽くまで論理的もので、聞いていて感じ取れるかどうかは全く別の問題です。)

ということで、入力端子に接続する機器がDC成分を出しているかどうかを確かめてみました。これは音楽プレーヤーなどの機器の端子にテスターをあてて電圧を計ることで簡単にわかります。手持ちの機器を片っ端から計ってみましたが、直流成分を出力している機器は一つもありませんでした。ということで、ClassAAヘッドホンアンプ試作一号のカップリングキャパシタを外しました。

カップリンクキャパシタを取り外したClassAAヘッドホンアンプ

パスコン以外のキャパシタがなくなって随分スッキリしました。肝心の音の方は劇的に変化しました。これまでもノイズは感じられなかったのですが、更に静かになりました。ひずみ感もすっかり消え去った・・・ように感じました。周波数特性もこれまで以上に広がって、入力された信号に何一つ加えず、何一つ失うことが無い、ピュアで透明な音が出る・・・ように感じました。

一歩間違えばヘッドホンを破壊してしまう可能性のある危険な回路で、お勧めはできませんがこれまでの音とは次元の違う音が出るようになりました。

2件のピンバック

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