坊主のステータス
2010年12月7日
2021年12月15日
お洒落とは無縁の世界と思われる、禅宗の坊主の世界にも、ちょっとした着こなし術があり、着こなしに伴うヒエラルキーがあるらしい。
たとえば、日常的な雑務である作務をするときに着る作務衣では、着丈の短いものがカッコいいらしい。着丈の短いものを着ることで足が長く見え、カッコいいらしい。このようなものは古参しか着ることが許されていないらしい。そして、使い古されたものであればあるほどカッコいいらしい。まあ、確かにツナギ等の作業服は使い古されて、ところどころ穴の開いたぐらいかカッコいい。
ジーンズなどで、工場でわざと使い古された感を出すための加工を行った物があるが、あれはいただけない。やっばり普段使いで古されたものと、加工によって古されたものは全く違う。たとえばジーンズなら自然とひざが出て、そこに穴が開くものだ。しかし人工的に作られたものは、ひざが出ていないのに穴が開いている。これは、見ているほうが恥ずかしくなるくらいにカッコわるい。
きちんと使い古された物は本当にカッコいい。たとえば、魚屋の包丁だ。使い古されて、チビた包丁はスパスパと切れる。ピッカピッカで下ろしたての包丁とは比べ物にならないくらいカッコいい。そして、そんなチビた包丁を使う者の手際は恐ろしくいい。とにかくカッコよくて粋だ。