『沈まぬ太陽』は面白い、だけど反則だよ

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今年のゴールデンウィークは何の予定も無いので、ひたすら家でDVD鑑賞です。そんな中で観たのが山崎豊子氏の同名小説を映画化した『沈まぬ太陽』です。

いやあ、これは面白いとにかく面白い。三時間を越える大作だが、そんな長さを感じさせないほどに面白い。しかし、この作品はあまりにも誰もが知っている事件や企業、政治家たちを題材にしているので観ている方はドキュメンタリーと錯覚してしまいます。これが危険。

この作品を観るに先立って、色々と調べてみたのですが、かなりの脚色がされています。小説だから脚色は当たり前だが、御巣鷹山という誰もが知っている事故を取り扱い、モデルが容易に想像できる企業名である「国民航空」という企業名を使ったり、恩地という人物をあまりにも美化しすぎている点が問題である。

『八つ墓村』も実際に起きた事件をモチーフにしているが、荒唐無稽と思われる程に脚色と再構成をしている。これがギリギリの線だと思う。現実と虚構が曖昧な『沈まぬ太陽』は面白いけど問題作でしょう。少なくとも、フィクションである旨のキャプションは必要だったでしょう。