時計はクォーツ時計が一般化されてから随分と均質化が図られ、安い時計でも日に数秒しか狂わないでしょう。ところが温度計と言うのは随分といい加減です。デジタル式の温度計に関しても、個体によって数度違う温度を指している事がざらにあります。二つの温度計があって、それぞれが違う温度を指していたりすると、どちらを信用してよいのかわからなくなります。寧ろ、時計のように押しなべて正確になったものの方が珍しいのかも知れません。
そもそも一日に５分狂う時計があったら、誰も買わない事でしょう。その一方で、温度計が数度違った温度を指したとしても、それによって困る事は少ないのかも知れません。
逆の見方をすれば、時計の高精度化は非常に簡単だったのかも知れません。それから、電卓に冠して言えば、一般的には同じ計算をすれば全ての電卓は同じ数値を示します。（数値の丸め方によって生ずる誤差はありますけどね。）
その一方で温度計の高精度化は難しかったのかもしれませんね。だから未だに個体差が多いのかも知れませんよ。