『虹の岬の喫茶店』

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虹の岬の喫茶店連作短編の形式の本です。季節ごとに一つの章が割かれており、春から始まり、翌年の夏までの6つの章からなります。映画化もされている本です。

この本を手に取り、日曜の朝行きつけの店で、朝食を摂りながらこの本を読み始めたのですがヤバかったです。最初の「アメイジング・グレース」が本当にマズかったです。主人公を私に、主人公の娘を私の娘に自然と置き換えながら読み進めたのですが、恥ずかしながら涙が止まりませんでした。

小さな娘を車の助手席にちょこんと乗せ、「虹」を探しに行く途中で立ち寄った岬の喫茶店で、壁に掛かる虹の風景画を親子で眺めるところから、店の女主人と親子のちょっとした心の交流が始まります。ほんのちょっとした出来事なのですが、とにかく魂を揺さぶられます。

その他、5つの短編いずれも秀逸です。どこにでもあるような日常にも人間のドラマが有ることに気づかされます。

読んだ後は、自分自身がちょっと上等な、そして優しい人間になれたような気がします。秀逸な物語です。未読でしたら是非。