ClassAAヘッドホンアンプ ダンパ抵抗外し

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ClassAAヘッドホンアンプの試作1号の最適化(?)は未だ継続しています。そもそも計画時点から出力側のカップリングキャパシタは設けていなかったのですが、前回は、危険を承知で入力側のカップリングキャパシタも取り外しました。カップリングキャパシタが無い場合、直流成分が入力された場合、そのまま増幅されてヘッドホンに直流電流が流れ込むことになります。最悪は接続したヘッドホンを破壊してしまう可能性もありますので、絶対にお勧めはできないのですが、接続機器から直流成分が流れ出していないことを確認したうえで、思い切ってカップリングキャパシタを取り外してみました。

結果は大成功で、オシロスコープで出力を見てみたのですがカップリングキャパシタで減衰する低域成分は計算値以上に多いことが確認できました。正直聴感上はそれほど減衰しているようには感じませんでしたが、比較するとその差は明らかでした。そして、低域以上に高域のシャッキリ感が向上しました。この違いを体感してしまうとカップリングキャパシタありには戻れません。

これで、音声信号の経路上からはキャパシタが消え去りました。そして今回はダンパ抵抗として出力部分に設置していた10Ωの抵抗は本当に必要なのか?そして、取り外したらどうなるのかを試してみました。信号経路上で急激なインピーダンスの変化があると、反射という現象が起き、ひずみが生じます。これを和らげるために抵抗器を設置します。また、万一出力が短絡した場合に、回路に与える影響を減少させる効果もあります。

ClassAA回路では電力増幅アンプの先には33Ωと10Ωの抵抗器がありますので、そもそもこれがダンパとして働くのではないか?という疑問が浮かびました。一方で、負帰還電圧の取り出し部分に直に負荷が接続されますので、反射が起きた場合や、負荷装置からのノイズがダイレクトに電圧増幅アンプに帰還することになり、場合によってはノイズが増幅されてしまう可能性もあります。

ダンパ抵抗の有無をLTSpiceでシミュレーションしてみたのですが、若干ではありますがダンパ抵抗を取り外すと高調波ひずみが増える傾向が確認できました。そして実際に取り外してみました。

聴感上は大成功で、より足腰の強い感じの鳴り方になりました。全体的に元気のよい鳴り方になりました。しかし、恐らくこれは抵抗器を取り外したことによる音量アップが主な要因ではないかと思います。そして、予想していたことではありますがノイズは拾い易くなりました。入力側に機器が接続されている場合にはこれまでと変化はありませんが、入力側の機器が接続されていない状態では、より強くハムノイズを拾うようになりました。負帰還部分を更に低インピーダンス化すれば恐らくある程度は抑え込めると思いますが、入力側に何も接続しない使い方はレアですので、このままで行きたいと思います。

2件のピンバック

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