再びClassAA回路に変更
制作しているヘッドホンアンプですが、ブレッドボードで仮組して動作確認をしましたが、ノイズを拾い易い欠点がありました。これを解決するために、回路全体の低インピーダンス化を行いました。併せて、実際の運用を想定して過大入力や電源オンの状態での入力のON/OFF切り替えなどをテストしました。その結果、過大入力をきっかけに発振が始まる問題が見つかりました。
色々と対策を執りましたが、完全に発振を抑えることはできませんでした。やはり二段直列したアンプの二段目の出力を一段目に帰還させるのはダメみたいです。ということで、ClassAA回路に戻すことにしました。ついでに、以前シミュレーションした回路ではオフセットが生じていましたので、この対策も行いました。そして、ノイズ耐性と高調波ひずみをもう一段減らすために、回路定数の見直しをしました。その回路がコレ↓です。
今回、電圧増幅段のオペアンプをTL072からNJM4580に変更しました。本来であれば、入力オフセット電流が少ないJFET入力のTL072を採用したかったのですが、実際に組んでみると上手く動作しないことが分かりました。理論上電圧増幅段のアンプからの流出電流は0になるはずなのですが、現実にはそのようにはならないようで、そこそこの電流がR3を通じて出力に流れるようです。そのため、ドライブ能力の低いTL072を使用すると入力電圧の増減に伴いA級動作とB級動作の切り替わりが生じ、その結果ひずみが生じるようで、聞くに堪えない音になります。
この対策として、そこそこ力持ちのNJM4580を電圧増幅段に使用することとしました。NJM4580はバイポーラ入力ですので、オフセット電流が多めです。オフセットには随分悩まされましたが、ノイズ対策と併せて、負帰還回路を大胆に見直しました。これによってシミュレーション上ではオフセットは無視できるレベルにまで下げることができました。
全体的に回路のインピーダンスを下げ、また局所ごとのインピーダンス変化も縮小して反射による高調波の発生も少なくなったかな?と思います。FFT解析の結果も良好です。
回路上のキャパシタも最低限の利用にして、位相回転にも配慮しました。その結果、周波数特性もよりフラットになったと思います。
実際に音出しをしてみましたが、かなりいいです。徹底的にノイズ対策をしましたし、位相回転も起こりにくい回路としましたので、とにかく静かです。余計な音が出ないところがいいです。これで、決定にしたいと思います。
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