ヘッドホンアンプ、プロト1号

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これまで、ClassAA回路を検討した結果、(シミュレーション上では)より特性の良い47式を採用することにしました。しかし、47式そのままではオフセットの問題が生じましたので、47式(改)になりました。そして、無負荷時の発振対策を施した結果、47式とも違う回路となりました。

かなり野暮ったい回路ですが、シミュレーション上は満足できる特性が得られることが分かりました。ただ、この回路は電力増幅にTL072を、ボルテージフォロワにNJM4556を使う前提での回路となっていますので、他のオペアンプを使う場合には発信防止用に取り付けた抵抗の値を見直す必要があるでしょう。また、位相補償用のキャパシタも省略しましたので、スルーレートの高いオペアンプを使用する場合には注意が必要です。

今回採用したオペアンプ、TL072とNJM4556はオーディオ帯域を得意とするオペアンプで、オーディオ帯域用に内部で位相補償がされているので、今回のようなかなり乱暴な回路でも発振しないのだと思います。

47式アンプ(改)無負荷対策
無負荷時の検討が漏れていました。無負荷時に発信してしまうことが分かりましたので対策しました。

この回路図のとおりに、ブレッドボード上に組んでいきます。ブレッドボード用の電源が5Vしか出せない仕様のため、今回は±2.5Vでの動作となります。また、抵抗分圧については上記の回路図とは違う構成となっています。

ブレッドボード上に回路を組んでみました

入力は120円のMP3プレーヤーです。ごちゃごちゃの空中配線ですから、かなりノイズを拾います。スマホを近づけるだけでノイズが聞えてきます。ノイズ源を遠ざけても電源からのノイズが入ってきます。バッテリー駆動であればノイズは乗りませんので、電源回路は改良の余地がありそうです。そして、入力段のインピーダンスも、もう少下げた方が良いかも知れません。入力段は4.7kΩでグランドに落としていますが、2.2kΩくらいの方がノイズ耐性は上がるのではないかと思います。併せて負帰還抵抗も変える必要があるでしょうし、無負荷時発振対策の抵抗は逆にもう少し上げることができるかも知れません。このあたりは、プロトで弄ってみようかと思います。

配線ごちゃごちゃです。ノイズには極めて弱いです。これはユニバーサル基板での試作で対策したいと思います。

実際に鳴らしてみましたが、出力側のカップリングキャパシタを省略しているためか、非常に素直な鳴り方です。一昔も二昔も前のオペアンプですが、きっちりと仕事をしてくれていています。ただし、カップリングキャパシタの省略はかなり冒険で、オフセットが出てしまうと接続したヘッドホンに悪影響を及ぼすこともあるので、オフセット発生時のリスクを理解しておく必要はあるでしょう。

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